原告について

日本各地の10代~20代の若者たちが、気候危機に脅かされることのない未来を求め、日本のCO2排出量の約3割を占める主要電力事業者に対し、科学が示す1.5℃目標と整合する水準での排出削減を求め民事訴訟を提起しています。

撮影 ©田嶋雅己
撮影 ©田嶋雅己

原告の声

2024年8月6日の提訴後記者会見で、原告たちが提訴に至った理由や、訴訟を通じて実現したいことなどをお話しました。

近年は夏の暑さが耐え難く、私の家族も熱中症を経験しました。取り返しの付かない気候変動が迫る中、電力会社や政府の対応は十分とは言えません。そこで、他の若者原告と共に1.5度目標を守るために行動を起こす決意をしました。気候変動が私たちの生活に及ぼす影響が深刻化している中、この裁判は私たちだけでなく、日本全員にとって重要です。海外では同様の裁判が既に成功しており、日本でも変化を起こせると信じています。SNSでの拡散や傍聴など、ご協力をお願いします。時間が残されていない今こそ、未来を守るために行動する時です。

気候変動は、年々過酷さを増しています。今年も酷暑が日本列島を襲い、強大な台風が甚大な被害をもたらしています。この気候変動は人災であると、世界でも認められています。誰かが社会を動かさないといけない。だから私は今回、原告団に立候補しました。私たちの、そして子どもたちの将来を良くも悪くも変えていくのは私たち自身です。どうせ変えるなら、できるだけ良い方へ。そう思って、私は活動を続けています。

山形では2024年7月の豪雨で川が氾濫し、私の出身地でも被害がありました。孤立した集落も多く、救助に向かった20代の警察官2名の尊い命が失われました。大人が招いた気候変動により、未来ある尊い命が奪われたのです。気候危機を止めるために自分自身が動き、国や火力発電所に対して声を上げていきたいと思い、この裁判に参加しました。私たち若者が声をあげ、さきがけとなって裁判を進めて、人々が気候変動を自分ごととして考えるようになるように、社会を変えていけたらと思っています。

今夏、ほとんどの人が気候危機を実感したと思います。私たち若者世代も、子どもの頃を思い出してほしいのです。こんなに暑かったでしょうか。私たちが気候危機を止めなかったら、これから生まれてくる子どもたちはどうなるのでしょうか。僕は自分のこれからに大きな不安を抱いています。私にとって忘れられない言葉は、「あの時ならまだ間に合っていなかったのに、なぜ、止めてくれなかったの。」という、グレタ・トゥーンベリさんの言葉です。私と同い年の彼女の話を聞いたことが、私が気候変動の活動に取り組むきっかけとなりました。私も、自分の子どもたちに、「あの時なら間に合ったのに」と言われたら、正直、返す言葉がないなと感じました。日本でも、若者が政府や企業に訴訟を起こし、裁判所を動かすことで、これまでの取組みでできなかったような風穴を開けることができるのではないかと思っています。

原告の声は、ニュースレターの各号やSNSでも紹介しています。ぜひご覧ください。

弁護団

原田 彰好
浅岡 美恵
樽井 直樹
中根 祐介
藤川 誠二
片口 浩子
小出 薫
飯島 吾郎
半田 虎生
小島 寛司
渡部 貴志

弁護団からのメッセージ

2023年の世界と日本の平均気温は統計開始以降最も高くなりました。気象庁発表の2024年のこれまでの日本の月ごとの平均気温の観測実績でも「統計開始以降1位」の高温との記述が多く見られ、私たち自身日々の生活のなかで地球の温暖化を実感しているところです。近々、1.5度目標を超えてしまうのではないかが心配されています。

地球温暖化を止めるには、国際合意に沿って人為的な温暖化ガスの排出を今すぐに大幅に削減していくことが必要です。この訴訟は、被告企業にもこの国際合意の遵守を請求するものです。

この訴訟は誰かがやらねばならない訴訟ですが、これを原告の若者たちが担ってくれました。原告には尊敬と応援の言葉を送ります。私たち弁護団も頑張ります。市民の皆様の熱い応援をお願いします。

若者気候訴訟弁護団 共同代表 原田彰好

撮影 ©田嶋雅己
撮影 ©田嶋雅己