【報告】第2回口頭弁論期日が開かれました(2025年2月18日)

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2月18日、若者気候訴訟の第2回口頭弁論期日が名古屋地方裁判所で開かれ、
原告2名と弁護団が意見陳述を行いました。
当日の裁判の傍聴には定員の2倍もの人が訪れ、抽選が行われました。裁判後の報告会でも、立ち見でも会場に入りきらないほどの大勢の参加者にお集まりいただきました。
報告会では、原告2名が法廷での意見陳述の内容を説明しました。以下はその抜粋です。

 

原告:髙田陽平さん

地元では1年で62日、35℃以上の日を記録
自分が小学生の頃と比べても気候変動は明らかに進んでいます。被告らは将来のことはわからないと述べていますが、気候変動は将来の話ではなく、すでに起きている問題なのだということをしっかり伝えました。私の出身地の福岡県太宰府市は去年、全国で一番多くの猛暑日を記録しました。合計62日で、1年のうち2か月もの間、35℃以上の日を記録したことになります。地元の小学校では、暑すぎて外遊びが中断されています。私が小学生だった頃は猛暑日が何日あったのか数えてみました。1年に10日もないことが多くて、20日を超えたことは1度もありませんでした。今は62日ということで、3倍以上になっています。夏休みにレジャーやスポーツを楽しむこともできない状況です。

災害は、一回起きたら取り返しがつかない
暑さだけでなく、豪雨の被害もあります。福岡県南部では、8年前に朝倉市で土石流による甚大な被害がありました。一昨年、災害ボランティアに行ったのですが、復旧は全然進んでいませんでした。メディアで取り上げられないのでもう復旧したと思われているかもしれませんが、一回起きたら取り返しのつかないことになるということを自分の肌で感じました。

被告10社で世界18番目の国とほぼ同じ量を排出
さらに、被告の10社の責任について話しました。被告たちは、自社の排出量はわずかなのだから責任はないと言っています。しかし被告らだけで日本のエネルギー起源CO2排出量の3割を占めていて、国レベルで換算すると英国に次いで、世界200か国中18番目に多い量を排出していることになります。イタリア1か国の排出量よりも多い数字で、被告らは世界全体の排出量の0.9%を占めています。もし被告らが十分な対策を取らなくて良いのなら、それより排出が少ない約180か国は何もしなくても良いのでしょうか。そんなはずはありません。

火力発電所の段階的削減を
現状の深刻さを考えると、火力発電所を今すぐ止めろと言ってもおかしくありませんが、私たちは最低限、目標に向けた段階的削減をするよう求めています。裁判に出るのは初めての経験でしたが、被告らはオンラインでの出席で、相手の顔が見れなかったことは残念でした。今日の傍聴や報告会にこれだけ大勢の方が集まってくれたように、私たちの訴えは無視できるものではないと思うので、引き続きしっかりお話していきたいと思います。

 

原告:角谷環樹さん

気候変動とその被害は、いま起きている
法廷陳述ではまず、気候変動は将来の問題ではなく、実際にいま起きているのだと強調しました。私は北海道に住み、雪が身近な生活を送っていますが、その雪が変化しているのを実感しています。住んでいる十勝地方はもともと雪が降る機会が少ない場所ですが、この2月に、生まれて初めて経験するほどの量の雪が降り、車を家から出すのに2日かかりました。ニュースでも観測史上最大の雪と報道されていましたが、その原因は気候変動であり、海水温の上昇や、本来そこになかったはずの低気圧によって大雪が発生したのです。今まさに気候変動による被害が起きているということを伝えました。他にも、北海道の他の地域で雪の質が変わり、パウダースノーが無くなってしまったことや、私の住む地域の国立公園で、氷河期からの生き残りとも言われるエゾナキウサギや高山植物が姿を消しつつあるという話をしました。

被告らには、人々の未来に責任を持ってほしい
2つ目に、被告にも良心があるかもしれないという仮定に基づいて、次のことを話しました。気候変動が危機として認識されてから40年も経ちましたが、何も行われてきませんでした。これまではまだ余裕があるように見えて、行動しなくても良いと思えたかもしれません。しかし、いよいよティッピングポイントが目前になり、今やらないといけないというメッセージが、行動のためのキャッチフレーズではなく、事実になりました。だから被告も含めて、私たちが今、行動しないといけません。一緒に行動したいということや、誰かの命や、これから生まれてくる人々の未来に責任を持ってほしいということを伝えました。

子どもたちに「なぜあの時何もしなかったのか」と言われたくない
最後に、自分の未来を考えたときに、これから生まれてくる子供たちに、なぜあの時何もしなかったのかと言われたくないということや、毎日感じている気候危機への不安もお話しました。

 

次回の口頭弁論は5月22日

報告会での様子は、録画でご視聴いただけます(この記事の冒頭に録画を掲載しています)。意見陳述した原告2名のほかに、弁護団からの解説や、同席した他の原告たちからのコメントが行われました。

第3回口頭弁論期日は、2025年5月22日(木)14時から予定されています。
引き続きの応援のほど、どうぞよろしくお願いします。

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